過去のエッセイ
恥ずかしいので、メインのページ「ポジティブしんきんぐ」が充実してきたらこのページは消滅予定


ヒトから人へそして神へ (2001,10,18)

人はヒトとして産まれて人として成長する。
ヒトは物心ついたときから人に倣って成長する。
人に教えられてヒトは人になる。

ヒトはヒトである時、得てして最も身近で貴重な存在である人を
すすんで嫌おうとする。

ヒトが人になったとき、はじめてその人が
自分の中で大きな割合を占めていることに気付くのであるが、
そうなった時はもうその人は病院のベッドの中にいる。

悔やむ。泣く。
そして出来る限り人はその人と時間を共有しようとする。
そんな時、白いシーツの中でその人は満足感に満ち溢れているのだと思う。
その決して長くない至福の時間は、多分先達たる神からのプレゼント。
「ほら、苦労した甲斐があったでしょ?」

人はヒトを人にして神になる。
人生はその繰り返し。多分物事の中で最も重要な繰り返し。


魔法のランプ(2001,10, 1)

1人に1つずつ配給されてもきっと満足できないよね。
魔法のランプは物を満たしてくれても心は満たしてくれない。

思いつく限りの願い事をして、思いつかなくなったとき
どれだけ空虚な思いに打ちひしがれるだろうか。

夏は涼しく、冬は暖かい、一昔前なら王侯貴族のような生活をしていて、
なぜみんな欲しがる、魔法のランプ。
恐怖の魔法のランプ。


あたたかい(2001,12,27)

冷え切った世間
冷え切ったニュース

街には失業者があふれ、これからの展望も見えない。
何もかもが冷え切ってしまった。

『ああ、なんて俺は不幸な時代に産まれてきたのか』

多分この中で一番冷え切っているものは
そんなふうに思ってしまう心。
密集して氷山となる。
そしてそれを溶かすことが出来るのも心。

自らの氷山を溶かした心は
他の氷山を溶かすべく一層輝きを増す。
そして全てを照らすため、高きを目指し、小さな太陽となる。

昔の人々はそんな存在を
「あな、高い(ああ、高いなぁ)」と賞賛したという。
それが「あたたかい」という言葉の語源になったということだ。


太陽(2001,11,28)

強くなったら恨まれて
弱くなっても恨まれる

ある日太陽は酒にうつろになりながら月に問うた
「僕だって大声をあげたい時もあれば、泣きたい時もあるのに」

月は答えた
「私が無くなったとしてもいつしか人は私を忘れてしまうでしょう。あなたは本当に果報者なのですよ」

そのほんの一言を支えに太陽は今もなお照りつづけているという
だから本業が終わってからも月を黄金に照らすのだ


自分の心次第(2001,11,26)

大事なのは自分の心。

今していることにとまどいないか。
今していることに責任持てるか。
今していることの説明できるか。
今していることを守りきれるか。
今していることに胸が張れるか。

自分に聞いて苦しんで、
それでも答えがYesなら

誰もがあなたを応援するはず。
きっとあなたも頑張れるはず。


逸見のイッツミー(弔辞)(2001、6、21)

私には座右の銘なんて仰々しいものはないけど、
数え切れない言葉の中で「思いやり」って言葉が好きだ。
思いやりって今は亡き逸見さんが言ってたけど、まさしく重い槍だと思う。

一見したらすごく使ってみたくなったりする。
だってすごく存在感あるんだもん。こんなすごいの使ってる自分って
なんて格好いいんだろうって想像するだけで嬉しくなる。
だけど実際に使ってみるとこれが本当に使いにくい。すごく疲れる。

いつの間にか「こんなのどうして選んじゃったんだろう」って後悔してる。
自分の期待とあまりにもかけ離れた現実を実感する。

でも皆さん、折角選んだのだから、途中で交換とかしないでいただきたい。
大きすぎる服もいつかは体にピッタリと合うようになる。
だからちょっと我慢して使っていて。

それを当たり前のように使えるようになるとき、
あなたの体はきっと大きくなってる。

そしてそれに物足りなさを感じたとき、
あなたはもっともっと重い槍を選ぼうとするのだ。


憎まれ役に捧ぐ(2001、6、18)

辛いものを食べた後に甘いものを食べるとものすごく甘く感じたりする。
逆に甘いものを食べなれた後に辛いものを口に含むと七転八倒。
そして出る言葉はいつも「こんなにコレって辛かったっけ?」食べ残す。次からは食べなくなる。
そしていつのまにかそれが「嫌い」なものになっていく。「僕には合わないんだ」って。

それって食べ物が悪いのかな?食べ物って人に嫌われるために口の中で噛み砕かれるものじゃないよ。
ニンジン、ピーマン、セロリ。それぞれがそれぞれの味を少しでも理解してもらって、食べる人の一部分になることで
喜びを感じるんじゃないかな。

かまれて、痛みを覚えて、それで「マズイ」って言われるだけの存在。あまりにもやるせないじゃない?
明日から鼻をつまみながらでもいいからセロリをマヨネーズなしで食べてみませんか?
あら不思議なんとか食べられる。なかなかいける。こりゃうまい!
そしてあなたの体の中の血液はきれいになる。


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