2003年 データ詳細 No.20

日時: '03.08.13 
場所: 坂尻海岸
前日の晩、会社上がりにユムシと戯れ、予想通りというか何というか穏
やかすぎる時間を過ごした。坂尻〜浦底と渡り歩いたところ、ちょっぽさ
んと遭遇。ちょっぽさん曰く、ムシエサも持って来てないと、そのエリア
がユムシの効果!?以前に、ホントにエサトリも小魚も居なかったとこ
ろで虚しいテストをしていたかも知れないじゃないの?と目からウロコの
冷静で当たり前なアドバイスを聞き、本日の釣行を思いついた。

予報では今夜半から雨とのこと、雨が降り出してくるまでの1〜2時間だ
けでも、と夕食を済ませて19:50、自宅を出発。道中でチロリ1K¥だ
け購入して、昨日最初に竿出しした坂尻海岸の岩出浜近辺を目指す。

盆休帰省の関係だろうか、国道27号線はノロノロに近い流れ。とりあえ
ず大物狙いと言うよりもデータ取りというニュアンスが強いため、さほど
イライラすることもなく釣り場へ向かう。ところが対向車線の渋滞で目的
のポイントに車を近づけることが出来そうにない。

やむなくデータ取りを諦め、坂尻エリアの別の場所で竿出し可能な場所
へ入ることに。

本日は当初、エサトリの有無・正体を確認すべくの釣行であったことか
ら投げキスの9号でサビくつもりだったが、昨日と同じエリアで竿出し出
来ないということで、急遽、通常の夜釣りモードにチェンジ。竿本数こそ
2本だが、カレイバリ14号で置きザオとし、20:20 第一投を完了し
た。
 
海況は穏やかで海面上は全く波気が無いが、低気圧接近の為か、鏡
面のような海面にゆったりとアールを書くように緩やかなウネリがやって
来ている。大ギス狙いには絶好の条件。どよーんと低く垂れ込めた雲と
殆ど風のない状況に妙な緊張感と期待が高まる。

ところが期待とは裏腹に、例のごとくアタリもなくエサが舐め取られる。
サオ2本とはいえ、このペースじゃチロリを1時間余りで消費しきってし
まいそうだ。そんな中、開始30分後にようやく小さなアタリが出る。巻き
上げてみると16cmのミニギスが付いていた。その後、立て続けに17c
m。大柄の針を使用することで2匹とも飲み込まれていない。即リリー
ス、元気に海に戻っていく。

その後、小型のフグと思われるエサトリに悪戦苦闘しながら時間は経
過。21:20 久々にサオ先を小さく揺らすアタリで19cm。こいつもリリ
ース…。

残りエサが僅かになって来ているので使える部分だけ選り分け、あとは
海に撒く。あと残り2投!と区切りを付け、フグの餌食になるだけかも…
と思いつつもシモリ際に投入。糸フケを取ってキツめのカケアガリで待
つ。そしてもう一本のタックルの仕掛けにエサをつけようとしていたその
時…。

何の前触れもなく、いきなりパワーサーフQDのスプールが高速回
転!!。その勢いの凄いこと。ちょうどエサ付けのため三脚のたもとに
しゃがんでいたこともあって、目線の高さで呆然と見つめる…。ドラグ音
の描写として”ジーッ”とか、少し激しい時には”ジャーッ”とか使うことが
あるが、そんな次元ではない。まさに高速のモーターが回転している感
じ。
”ウィーン”という唸りをあげた高周波の金属音。あまりに高回転過ぎる
とドラグ音ってこんなに小さくしか聞こえないのか!!。
 あまりの凄さに呆然としていたが、ふと我にかえる。高速回転は緩む
ことなく機械的に一定の速度を保ったままで何かしら恐怖感を感じるほ
ど。コイツを取ることは出来るのか!?何とかしなくては!!

サオを手に持ちドラグを締める、が、EXが胴から曲がり、耐え切れずノ
サれそうになる。QDで良かった!ワンアクションでドラグフリーに。そし
て一瞬ヤツが止まった。ここで初めて気持ちに余裕が生まれる。タモ
だ、タモを組まなくては!!
 ヤツの引きに合わせてドラグを調整。キツ目にしてサオを立てたまま
タモを組む。その間もヤツは遠慮なしにサオを絞り込み、イトを出してい
く。こういうとき人間は(私は)慌てる。なかなかタモを組めないが何とか
スタンバイOK。ドラグを締めて巻き上げを再開!。

再開直後は持ちこたえるのに必死で結局はドラグ頼りのやり取り。巻き
取りは殆ど出来ない!。テンションの掛け方がコレでいいのか不安にな
る。そのうちふっと急に軽くなり、27号の天秤の重さも感じられずスム
ーズ過ぎる巻き取りに…。えっ、高切れ!?、と一瞬思ったが、それも
そのはず、釣り座に垂直に投入していたはずなのに今やミチイトは自分
の右横並行に近いところから…。ラッキー?なことにヤツは斜め前方を
こちらに向かって天秤をもろともせず猛スピードで走ってきているのだ。
これをチャンスと一気に巻き取る!。サオ先にカチッという僅かな抵
抗、チカライトの結び目まで巻き取れた。あともう少しとタモを手に取
る。そのときヤツが反転!?、一気にサオに負荷が掛かって満月にな
った、と思った瞬間、サオ先は空を向いたままとなってしまった…。

先ほどまでの焦燥感に加え、なんとも言えない脱力感に襲われる(今、
こうやってレポート化していても悔しさがこみ上げてくる)。そのまま、サ
オをほったらかしにして10数分…。今日はもうコレで終わった。これま
でこの場所で幾度となくサオを出していてキスの大物以外にエイや40c
mクラスのセイゴなら掛かったことはあるが、こんなアタリは初めてであ
る。

 このHPの「休憩室」に「正体は一体!?」といった過去の強烈なアタ
リのランキング、というコンテンツを記載しているが、今日のこの経験は
少なくとも第2位に入ってくるレベル。今日、この後続けたとしてもコイツ
が再アタックしてくる可能性はまずゼロだろう。
 
 傷心のまま、バレたタックルを仕舞う。出したままになっているもう一
本のタックルも仕舞おうと思うのだが、体が思うように動かず、クーラー
にへたり込む。6月に浦底でマダイをバラしたときとは比べものにならな
いダメージ。そう、昨年秋対馬遠征最終日の夕マズメ、尾崎での大アタ
リをバラした時(昨年度釣行記録参照)に匹敵するショックである。

 そんな時、釣友とはありがたいもの。偶然にも坂尻地元民であるinky
oさんが缶コーヒーの差し入れを持って様子を見に来てくれた。何も知ら
ないinkyoさんは「あれ、サオ1本だけですかっ?」(こっちとしては気力
を無くして体が動かず、仕舞うに仕舞えないだけなのだが)、その問い
に対して説明を始めるのだが、落胆のため的を得た説明になっていな
い。でもそんな私の話をinkyoさんは一生懸命聞いてくれ、メーターオ
ーバーのスズキか、60オーバーのチヌか、と超大物を引き合いに出し
て考えてくれる。コチラの気持ちを察して…。やさしい男である。私のど
うしようもない気持ちを彼が救ってくれる。私自身はセコくてつまらない
人間だが、ホントに仲間には恵まれていることを実感・感謝した。



inkyoさんとも話したのですが、この圧倒的なスピードとパワー(特にス
ピードは尋常ではない!)。スズキなら水深もないエリアですので、この
ように手前まで巻いてくれば一度は浮いてエラ洗いの一つでもカマすも
のなのですが…。チカライトまで見えていながら姿を現すことなく…。皆
さんは何だと思われますか?
 でも、こういったことがあるから夜釣りはヤメられませんよねっ!!

画像データなし。
[釣りデータ]
日時:'03.08.13 20:20〜22:00
場所:坂尻海岸
釣果:キス3匹(16〜19cm3匹(リリース))
エサ:チロリ


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