とうふあれこれ その6 

 湯葉ってどんな風につくるの?
ユバ(湯葉または湯波)は、豆乳を加熱したときに出来る表面の皮膜を引き上げたものです。
ちょうど牛乳をあたためた時、上に膜が張るのと同じような感じですね。
ユバは豆腐とともに、大豆のたんぱく質を固めた代表的な加工食品です。
ユバもまた豆腐と同様に中国より伝来したものと考えられますが、その年代は明らかではありません。
中世以降、禅宗をはじめとする寺院を中心に精進料理の素材として重宝され、それがしだいに庶民に広がっていったとされています。
江戸時代には、すでに巻きユバが造られていました。
ユバの製造が、最も盛んだったのは明治中期から昭和初期にかけてで、戦前には全国で300を超える業者がいたといわれています。
でも大半は戦時中に廃業し、戦後京都や奈良の寺院参詣の観光客を通じて再び広まり、今では精進料理はもとより京料理や懐石
料理に欠かせない素材になっています。
代表的な産地は、京都、大阪、滋賀、栃木です。
京都では「湯葉」、栃木の日光では「湯波」と書きます。
中国では「豆腐皮」(ドゥフッピー)「豆腐衣」(ドゥフゥイ)などと書きます。
ユバを製造するのは、先にも述べましたが豆乳を加熱しますが、豆腐を造るための豆乳よりも高い濃度の豆乳が必要です。
この豆乳をゆば鍋(ゆば台ともいう)に入れ、沸騰しない程度に加熱すると、表面にうっすらと膜が張ります。
これを細い棒で、すくい上げるのです。
このユバの風味は、材料の大豆の質だけでなく、豆乳の温度、加熱時間、季節や厨房内の温度、湿度にも微妙に影響を受けるため、永年の経験と苦労があります。
 
    
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