家を建てようと考えたとき、まず一番最初にしなくてはならないことは何でしょうか?あなたならまず何をするでしょうか?住宅展示場に行きますか?本を読みますか?雑誌を見ますか?インターネットで検索してみますか?
 まず一番最初にして欲しいことは、準備です。業者を探し始める前に、見て歩く前に、まず準備をして下さい。それが家づくりを成功させる第一のカギになります。
 では、どういう準備をすればよいのでしょうか?そのうちのひとつは、まず予算のことです。実に当たり前のこと、予算をきちんと計算しておくことです。
 ご自分がいくらまでのローンを組めるかもわからない人は結構多いようです。いくらの融資を受けられるかは、ご自分の年収と銀行や公庫次第のところがあります。それだけに、総額でいくらの予算が組めるかについては、見えにくいところがあるでしょう。その場合、自分たちがいくらまでなら月々返済可能か(ボーナス時にはいくらまでが可能か)をきちんと計算しておけばいいでしょう。その金額をもとに建築会社とも相談を進めていけば大体間違いありません。
 次に準備しなければならないことは、自分たち夫婦の話し合いをきちんと煮詰めておくことです。二世帯にするのであれば、両親ともきちんと話して、煮詰めておくことです。何を煮詰めておくか。これが重要なことです。
 意外なことに家が欲しい人は、わりと家が欲しいというだけで、『どういう家が』という部分について欠けていることが比較的多いようです。しかしこれでは、満足できる家を手に入れることは難しくなってしまいます。家は手に入れて住んでみて初めてその良さが分かるものです。手に入れたというだけの満足はほとんど一年も続かないでしょう。住んでみての部分が大切なのです。だからこそ煮詰めておいて欲しいのです。出来るだけ先々のことまで考えて。
 コンセプトは、いろいろあるでしょう。子育てのための家。趣味の家。体を休めるための家。終の棲家。仕事場兼用の家。家族の集まる家。ご主人の願い。奥様の希望。子供たちの好み。いろいろな要素があると思います。そういう様々なことを、自分たちが重要と思うことから順にきちんと整理しておくのです。
 この作業をしておくのとしておかないのとでは大きな隔たりが出てきます。業者を選択するための視点にも関わってきますし、その後の打ち合わせなどの進み具合も違ってくるでしょう。業者側としてもニーズをつかみやすい分、提案するプランは意に沿ったものを出しやすくなります。
 もちろん設計まで考える必要はありません。それこそプロに任せればよいのです。しかしプロに任せる前にきちんと希望を整理しておくことです。箇条書きで構いません。子供を伸び伸びと育てたい。顔の見えるつくりにしたい。自然と会話の出来るスペースを作りたい。子供がひきこもらないように開放的にしたい。ほっとできる空間にしたい。居間は天井を高くとりたい。お風呂は足を伸ばして入れるように・・・・・
 必要な部屋ごとにこうしたいということを整理して、それに箇条書きにしていけばよいのです。そしてそれに必ず優先順位をつけておくのです。お金をかけたらかけただけよくなるのは確かです。しかし当然予算との兼ね合いもあるでしょう。そのために優先順位をつけておくのです。そうしておけば後から足し引きをしておくことが簡単に出来るからです。
 そうやってご夫婦(ご家族)できちんと話し合いをして整理しておくと、自然と夫婦間の役割分担もはっきりしてきます。キッチンや水廻りは奥様のこだわり。家そのものの構造体や居間の雰囲気、書斎などはご主人がという風に。それぞれの意見を聞き相談しておくことで、ご自分の考え方も整理されてくるものです。
 大きなお金を出すのです。きちんと何を希望するのかを明確にして、少しでもその希望に近づける努力を怠らないことです。家づくりは一大事業です。人生最大のプロジェクトです。その中心になるのは、あくまでもご自分たちであるということをきちんと認識しておくことです。そして中心であるのなら、家が手に入ればいいんだ式の考え方ではなく、もっと積極的に自分たちが満足できる家を真剣に考えておくことが重要です。

T.業者を探す前に、見て歩く前に、まず準備!

満足のいく家づくりは一にも二にもまず準備。奥さん任せでは失敗します。

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