家づくりにおいて「坪いくら」という言葉をよく耳にしますが、この「坪いくら」という金額はまやかしでしかないのです。数字を作るのは簡単です。それゆえに家を金額で比較することは、実際まったく意味がありません。
 見てくれの価格を下げようと思えば、いくらでも出来るのです。最低ランクの仕様で見積もれば、坪単価はグッと抑えることが可能です。
 家の値段が上がるのは、住まい手の満足を満たそうとするからです。例えば、女性の一番こだわるところはキッチンです。通常の仕様のキッチンを80万円で見積もっている会社で、200万円のキッチンに仕様変更を希望すると、差額が120万円。仮に40坪の家で換算すると、それだけで坪単価3万円も変わってしまうことになります。住宅は細かい仕様の積み重ねです。ひとつひとつの小さな仕様変更を重ねるだけで、坪単価は大きく変動してしまします。
 一般の人は、坪単価で住宅会社を比較しがちです。「あそこは坪いくらで高いけど、こっちは坪いくらで安い」などと比較して、選択の基準にしているようです。しかし坪単価で比較しても全く意味がないと言わざるを得ません。なぜなら比較するとA社とB社は、設計も違えば仕様も異なるからです。
 同じ設計、同じ仕様で比較すれば安い高いも意味はあるでしょうが、違うものを比較しても意味はありません。極端な話、コンクリート造の家と木造の家を価格だけで比較しても何の意味もないということです。比較すべき部分はもっと他にあります。だから、坪単価は何の意味もない数字の羅列なのです。



V.家を金額で比較しても意味がない!?

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