@アトピー性皮膚炎や風邪を予防できる家
 アトピー性皮膚炎は、人につくカビが原因のケースがあるそうです。ぜんそくもカビやダニがアレルギーの原因となり発作を起こします。風邪のウィルスは湿度の低いときと、湿度の高いときに多く繁殖します。
 つまり、これらの病気はすべて、湿度コントロールの可能な家ではある程度押さえ込むことができる可能性があるということです。
 花粉症も、室内に花粉が入り込むことを防ぐことができたなら、その症状が緩和されても不思議ではありません。また、入り込んだ花粉は、換気システムがしっかりと作動していれば、外に追い出してくれて室内はクリーンな環境を保てます。(ただし、気密性が低い住宅では換気システムは正常に作動しません。)

A冷えや寒さ・暑さが原因で起こる病気
 肩こりや冷え性、神経痛やリュウマチ、腰の痛みなど、寒さが原因となる症状の緩和も、快適な温度に保てる家ならば、良い環境にあることは間違いないでしょう。心臓病や脳卒中などの病気は、血管の収縮が急激に起きたときに発作を起こす危険が高くなります。この血管の収縮が起きる一番の原因は急激な温度変化です。
 暖かい部屋からトイレなどに行こうと急に寒いところに出た瞬間がキケンなのです。寒いと思った瞬間に、体が縮こまる経験は誰でも持ってると思いますが、あの瞬間血管も縮こまっているのです。ところが、血液は変わらずに流れようとします。それで、血管に無理がかかり、切れてしまったり、破れてしまったりということが起こります。これが脳卒中であったり心臓病であったりするわけです。これをヒートショック現象(またはコールドショック現象)といいます。
 ちなみに、暖かい家の中から外に出るときは、ある程度覚悟をしてそれなりの心構えや支度をして出るため、あまり恐ろしいことにはならないそうです。無防備な家の中だからこそ恐ろしいのです。
 このヒートショックを有効に防ぐ手立ては、家の中の温度差をなくすことが一番なのです。家中が快適な温度であれば、心臓や血管に負担がかからず、発作が起きる危険性を少なくしてくれるということなのです。
 夏の暑さは、心身の疲労回復の妨げになります。睡眠をとりにくく、ストレスがかかります。こと精神的なストレスという意味では暑さの方が大きいのかもしれません。


体にやさしい家は、人の抵抗力を弱める?


 「そんなに体にいい場所に常にいたらかえって体が抵抗力をなくし、弱くなってしまうのではないか」そう思う人もいるでしょう。
 しかし、家は薬でも健康機器でもありません。まして無菌室でもないのです。人が抵抗力をなくすような心配は少ないでしょう。反対に、家はくつろいだり体を休める場であることが主であり、体を鍛えることが主となる場でもないはずです。
 人にやさしい家であることは、大切なことです。お金では買うことができない家族の健康を守ってくれることも、家の重要な役割のひとつだと考えるべきだと思います。




X.健康を守る家

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