05北丹沢耐久12時間

参加までに】
  
 東京に勤務する会社の駅伝部のN井さんから、5月初め頃「北丹沢耐久という山岳レースがあるけれどどうですか?」との誘いを受けた。心が動かされ少し悩む。
  しかし、悩んだのは少しだけ。直ぐに年代別もあることだし、年代別の上位を目標に参加することを決める。もちろん、本格的な山岳レースは初めてであり、上位入賞も厳しいことは承知の上である。

 申込みはしたものの、膝の不安や仕事の関係で思った程練習ができない。5月下旬の大野名 水マラソンのハーフは1時間38分かかる。6月上旬の兵庫県の美方残酷マラソンも得意の登りで失速。
 その後、ロングのペース走や荷物を背負った練習で、少し力がついたのを感じるが所詮、付け焼刃。完走は出来るとしても相当な不安。
 いろいろなホームページで情報を得る。日本一髪の長いランナーの「えくんちょ」さんや「走る物流マン」さんのページは非常に参考になった。

【前日〜スタート】
 
土曜日の朝。今日は北丹沢耐久に出かける日。天候は曇り空だ。8時前に起き出し朝食。比較的調子は良い。
 9時20分頃に、今回一緒に参加するT島さんを迎えに行く。荷物を積んで940分前には出発。敦賀から高速に乗り北陸、東名、中央の各高速を乗り継ぐ。途中、諏訪湖サービスエリアでの昼食、メニューは勿論、「かつ」。相模湖駅前での買い物を済まして1545分頃、宿舎の鶴屋旅館に着く。
 宿で、千葉から参加しているM島さんとK賀さんの2人と合流する。2人との仲介をしてくれたN井さんは少し遅れて着くとのこと。受付けを済まして宿泊料7000円を払う。
 4人で前日受付の会場へ。受付を済ましてそのまま受付会場にある「いやしの湯」の温泉へ。この温泉は今年の5月に完成したピカピカの新品である。そうしているうちにN井さんも到着した。温泉で軽く飲み宿舎へ。明日の準備をして夕食、ここでも軽く飲んで作戦会議といつものように前祝?

【レース当日】

【起床〜スタート】
 大会当日。5時起床。外は霧雨みたいな小雨が降っている。その小雨も宿を出る頃にはあがる。涼しい。この分なら相当走れそうである。
 530分頃朝食を摂り直ぐに会場へ。途中のグランドが駐車場になっている。そこからは無料のシャトルワゴン車がピストンで運んでくれる。
 620分頃、荷物預かり所へ並んだが長蛇の列。急に参加者が増えているせいか、少し段取りが悪い感じだ。もちろん、主催者や係りの人の誠意は十分に感じられる。
 荷物を預け、10分ほど前に選手の列へ。少し前の方に並ばせてもらう。荷物はウェストポーチにカロリー補給ゼリー1個とミニあんぱん4個。それに500ccのペットボトル。

【スタート〜神ノ川キャンプ場】
 7時スタート。スタートラインは直ぐに超えられたが、その先にチップ計測装置があり、道幅が狭くなっており、歩くようなゆっくりペース。直ぐに急坂が始まる。急坂といっても車が普
通に通れる道。ここで、荷物の軽い人や力のある人が前に行く。
 しばらく走ると登山道に入る。ここで
1列となる。たぶん、100位前後だがほとんど全員が歩いている。先は長いし流れにのって歩くことにする。時折、脇をすり抜けて前に行く人がいる。林はうっそうと茂り湿度が非常に高い。めがねが直ぐに曇る。
 地図によると標高差
250m程度だがもっとあるように感じる。ほとんど同じ順位で峠。しばらく山道を走る。みんな速い。うさぎとかめ。次々に抜かれる。あ然。しかし、直ぐに舗装道路に出る。
 ここから、神ノ川キャンプ場までは下りの舗装道路とのこと。林道で抜いて行った人たちを少しずつ抜き返していく。荷物が軽いこともあり、比較的順調に走れる。下りきったところで神ノ川キャンプ場が見えてきた。広々とした美しいところだ。東京の近くにもこのような場所があることに少し驚き。しかし、今はそんなことに感激している余裕はない。先を急ぐ。神ノ川キャンプ場橋を渡る。予定どおりの時間である。
 通過タイム
1時間0029

【神ノ川キャンプ場〜神の川ヒュッテ】
 ここでは、相当バラケテおり自分のペースで走れる。キャンプ場を過ぎると直ぐに登りの登山道に入る。もともと登りには自信があるが、なにせ今年は登りの練習が非常に少ない。どこまで行けるか。ゆっくりだが最初は走る。直ぐに10人近く抜く。
 
10km通過1時間0724秒。しばらく登ると女性。しっかりとした歩きだ。後でわかったことがこの人が女性の2位か3位。
 直ぐに走ることは出来なくなり少しずつ歩く時間が長くなる。それでも少しずつ順位はあがっていく。登り応えのある登山道である。鐘撞山の手前で女性。登りも相当強い。後でわかったがこの人が女性
1位。
 少し登りが緩やかになったと思ったら直ぐに鐘撞山。
1時間3346秒。ネットで見た小さな鐘を小学生ぐらいの女の子が撞いている。それを横目に先を急ぐ。
 しばらくなだらかな登山道を行くが、大室山への登りにさしかかる。結構、急峻な場所がある。地元の野坂山より厳しい登りはそうないであろうと、たかをくくっていたがなんのその。一部においてはそれ以上である。ロープや木の枝に捕まりながら登って行く。この急峻な登りでも
10人前後の人を抜いていく。少し平らになってきたなと思ったら神ノ川ヒュッテへの分岐。
 2時間
0252秒。
 ここからは下りである。この下りは順調だな。と思った矢先、後ろから物音。速い。全然スピードが違う。あんなに苦労して抜いてきたのに、みんな風のように下り降りる。さっきはあ然としたが今回は呆然。しかし、立ち止まるわけにはいかない。思い切り太腿に負担をかけながら坂を下りる。この間にも次々と抜かれる。絶望感を感じながら、太腿に目一杯、乳酸をためながら下っていく。
 やがて、神ノ川ヒュッテが近くなる。折り返しの前では犬越路へ向かうランナーとすれ違う。たぶん、下りで抜いていったランナー達だ。
 
 ここで、水分補給。ペットボトルも満杯にする。また、バナナを
1本をいただく。バナナの係りはチアリーダーの格好の大学生と思われる若い女性達だ。一瞬、チアーで応援してくれるのかと思ったらバナナを渡すだけらしい。ほぼ予定どおりの時間である。
 出発時
2時間3302秒。

【神の川ヒュッテ〜神ノ川園地】
 神ノ川ヒュッテを出たところで順位を数えている。80位とのこと。まあまあである。たぶん、50歳以上では10番前後であろう。給水所をでると最初は林道だ。あまり、急坂ではないがみんな歩いている。そこを走って10人前後の人を抜く。その後、直ぐに登山道。
 前後の2人と話しながら、歩いていると、しばらく行ったところでコースを間違ってしまう。沢筋に入ってしまった。だいぶ、登ってからおかしいと気づく。下を見ると誰もいない。少 し引き返すと数人のランナーが別の道を行っているのが見える。ここで、年代別上位は無理かも半分あきらめるが、気を取り直して先を急ぐ。

 数人を抜いて行くが気力がだいぶ薄れてきたのがわかる。いつもの悪いくせ(レースを途中で放棄する)出そうだ。がまん、がまん。勝負はテープを切るまで何が起こるかわからないと思いなおし気力を保つ。そんなことを思いながら歩いているうちに犬越路トンネル。3時間13分17秒。
 ここから林道。気楽に走る。何人かを抜いたが最後のトンネル付近で 2人に抜かれる。その2人が50歳代。仕方なくついて行くが、最後の下りの登山道を思うと 積極的な走りは出来ない。

  2つ目のトンネルを抜けると直ぐに第2チェックポイントの給水場。何人かのランナーが見える。思い切り水分補給。ペットボトルにアミノバイタルを入れて満タンにする。
 3時間50分10秒。

神ノ川園地〜姫次】
 神ノ川園地を出ると直ぐに右折し、登山道に入る。ここに来てもやはり登りは快適だ。前を行く10人ぐらいの集団にに追いつく。その中に現在順位が3位という女性もいる。
 その中の人と話しながら行くと登り初めから姫次までは
1時間半かかるらしい。ここで一緒ということは実力的にはほぼ同等。ある程度時間的予想がつく。その集団としばらく一緒に行くが少しペースが遅いので先に行かせてもらう。
 そのうち、女性
2位の人に追いつく。良く覚えていないがしばらく行くと風巻の頭。4時間28分07秒。
 そこから全体的に登りながら小刻みに下りや登りが続く。その下りで若い人でバテバテの人を抜く。今大会、登山道下りで初めて抜いた人だ。それをその人言うと「そんなに嬉しそうに言わないでくださいよ(笑)」「 嬉しいので何度でも言いたいですよ(笑)」「頑張ってください。」「ありがとうさん。」

 全体的に登りながら、何回か登り下りを繰り返す。ここまでくると、みんな同じようなペースなのかほとんど前後に人は見えない。何度かピークらしき山影が見えるが時間からしてニセピークらしい。
 体力的に余裕があるので登り下りを楽しめる。しばらく行くと大きながれ場。前を行く青年が相当ばてているようである。係りの人に水をもらえないか聞いている。規則ではだめとのこと。ここでリタイアするならあげられるとのこと。青年は少し考えていたが先へ進むことに。少し分けてあげたいが私もほとんど空。後ろから来た
50歳代の人が気持ち良く提供している。やはり、山では助け合いか。ほっとする。
 まもなく姫次。大勢のスタッフがいる。どうもご苦労様です。ここで、先ほど青年に水を分けていた
50歳代の人ともう一人が後ろにいる。少し待って先に行ってもらうことに。スタッフ「どうしたんですか?」「どうせ、下りは遅いし先に行ってもらいます。」
 5時間
1541

【姫次〜ゴール】
 ここからの下りは快適。すぐに女子の2位(?)に抜かれる。しばらくついて行ったが足場の悪いところで直ぐに離れる。下る途中でいくつかの分岐点。そのたびに立ち止まり確認。快適な道が続き前も後ろも見えない状態。少し不安になる。1回道を間違えているし、「えくんちょ」さんのHPにも道を間違えた人のことが載っていたし。
 立ち止まり地図で確認。濡れてぼろぼろとなり良く見えない。しばらく立ち止まっていても誰もこない。間違えたと思い逆走。前から女性の
3位(?)彼女も少し不安だったらしい。しばらく話した後、2人で逆走。すぐに前方からランナー。聞くと「間違いないはずですよ。」少し、迷ったがそのまま行くことに。しばらくいくと平丸の分岐点。何人かのスタッフがいる。今から思えば、いくつかの分岐は、全て右方向へ下る道。コースは左への下り。頭の中では右へ下ると思っていたのが大きな間違い。

 ここからは、急峻な下り。ここまで来てもやはり下りは遅い。思い切り太腿に負担をかけながら下る。ここまでくると、前後の選手の間隔は相当離れているらしく、抜いて行く人もあまりいない。そうこうしてうちにゴール地点の放送が聞こえてきた。
 道に迷ったり、逆走もあったが1317分無事ゴール。6時間1658秒。

【ゴール後】
  ひやしうどんを食べながら、第1給水場の登りで一緒に道を間違えた人とお話。温泉につかりビールを飲みながらみんなの帰りを待つ。16時前には全員ゴール。
 千葉から3人に挨拶をして帰路へ。帰りはズ〜とT島さんが運転。22時頃無事、T島さん宅着。
 楽しい一日であった。

【翌日〜】
 朝起きると下半身を中心に全身が痛い。階段を普通に下りられない。一歩、一歩痛みをこらえながら降りる。特に下りで負荷をかけまくった太腿前面が相当なダメージ。仕事は 机上が多いのでそう差し支えがないがいつもよりそうとう動きがにぶい。当然、走れるような状態ではない。それが、木曜日まで続く。何年ぶりか10何年ぶりかの筋肉痛である。

 来年は、道を間違えないように走り、サブ6を達成したい。しかし、暑いだろうな。

     ※写真は、一緒に行ったT島さんが撮影されたものを掲載しました。

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